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第17章

白夜行:日文版-第17章

小说: 白夜行:日文版 字数: 每页4000字

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「友達の? なんでわざわざ君が撮ってやるんや」
 雄一は俯き、唇を噛《か》んだ。それを見て刑事は、何かに気づいたようだ。
「ははあ」刑事はおかしそうにいった。「その写真を売るわけか?」
 いい当てられ、雄一はぴくりと身体を動かしてしまった。
「おまえというやつは」熊沢が吐き捨てるようにいった。「あほか」
「写真を撮ってたのは君だけか。ほかに同じようなことをしていた者はおれへんのか」中年の刑事が訊いてきた。
「知りません。いないと思います」
「すると時々清華のグラウンドを覗いていたのも君か。よう覗いている者がいたと、あちらの生徒さんたちがいうてるんやけどな」
 雄一は顔を上げた。「それは僕と摺い蓼埂1镜堡扦埂Wは写真を撮ってただけなんです」
「すると覗いていたのは誰なんやろ? 君、心当たりはないか」
 それは牟田たちだろうと思ったが、雄一は黙っていた。しゃべったことが後で連中にばれたら、どんな目にあわされるかわかったものではなかった。
「心当たりはあるけど、いいたくないという感じやな。下手に隠したら君のためにようないんやけどなあ。まっ、ええやろ。そしたら昨日の放課後からの行動を、できるだけ詳しく話してもらおか」
「えっ」
「昨日の行動や。どうした? いわれへんのか」
「いったい何があったんですか」
「あきよしっ」熊沢が怒鳴った。「訊かれたことに答えろ」
「まあいいじゃないですか」ここでもまた中年刑事が、興奮気味の教師をなだめた。刑事はかすかに笑みを浮かべて雄一を見た。「清華の近くで、あそこの女子生徒が悪戯《いたずら》されそうになったんや」
 雄一は顔が強張るのを感じた。「僕、何もやってません」
「君が犯人やというてるわけやない。ただ先方の生徒さんの口から、君の名前が出てきたからねえ」刑事は相変わらず穏やかな口眨扦い盲俊¥坤饯窝匀~の下には、現時点ではおまえのことを最も疑っているのだぞというニュアンスがこめられていた。
「僕、知りません。本当に……」雄一は首を振った。
「だったら、昨日どこで何をしていたか、話せるんやないのかな」
「昨日は……学校の帰りに、本屋とレコ晌荬思膜辘蓼筏俊
 思い出しながら雄一はいった。それが六時過ぎで、その後はずっと家にいたのだ。
「家では御家族と一緒?」
「はい。母と一緒でした。九時頃には父も帰ってきました」
「家族以外の人はいなかったわけや」
「はあ……」答えながら雄一は、家族の証言ではだめなのかなと思った。
「さて、どうするかな」中年の刑事は、隣にいる若い刑事に相談するように呟いた。「写真を撮ったのも自分のためやないと秋吉君はいうてるわけやけど、その言葉を信用する根拠もないしなあ」
「そうですね」若い刑事は同意した。口元に嫌な薄笑いが滲《にじ》んでいた。
「本当に友達のために撮ったんです」
「そしたら、その友達の名前を教えてもらおか」中年刑事がいった。
「えっ……」
 雄一は迷った。ここで黙り続けて、妙な疑いをかけられるのは嫌だった。
 その時、絶妙のタイミングで刑事はいった。「大丈夫や。君がしゃべったことは誰にもいわへんから」
 まるで雄一の心を見透かしたような一言だった。この台詞で、彼は決心した。
 雄一はおそるおそる牟田の名前を口に出した。それを聞いた途端、生徒指導の教師がうんざりした顔を見せたのは、何か問睿黏繒rに、必ず出てくる名前だったからだろう。
「清華のグラウンドを覗いてた者の中にも、牟田君は入ってたのかな」中年刑事は訊いた。
「それは、わかりません」雄一は、ぱりぱりに乾いた唇を舐めた。
「牟田君に頼まれたのは唐沢さんの写真だけ? ほかの女の子の写真は頼まれへんかったのかな」
「ほかには、ええと」どうしようかなと思ったが、雄一は隠さずに話すことにした。ここまできたら、もう同じだ。「最近になって、もう一人頼まれました」
「どういう子かな」
「フジムラミヤコという子です。僕はよう知らんのですけど」
 この瞬間、部屋の空気がぴんと張りつめたように雄一には感じられた。刑事の顔つきにも変化があった。
「それで、その子の写真は撮ったんか」低い声で訊いてきた。
「まだです」
 そう、と刑事は頷いた。
「もう撮りに行くなよ」熊沢が横から怒りを含んだ声でいった。「そんなあほなことをするから、妙な疑いをかけられるんや」雄一は黙って頷いておいた。
「もう一つ確認しておきたいことがあるねん」刑事がビニ氪虺訾筏皮俊!袱长沃肖韦猡韦蛞姢郡长趣悉胜い
 袋の中には小さな達磨が入っていた。雄一は驚いた。それは菊池が持っていたキ邾毳扩‘の飾りに間摺い胜盲俊
「知ってるようやな」刑事が彼の表情に気づいていった。
 またしても雄一は心が揺れた。これが菊池のものであるといえば、どういう事態を招くことになるのだろう。今度は菊池が疑われることになるのだろうか。しかしここで下手に嘘をつくと、益々まずいことになるかもしれない。それにこれが菊池のものだということは、自分がしゃべらなくてもいずれわかるかもしれないのだ――。
「どうや?」刑事が机をこつこつと指先で叩きながら促してきた。その音が針のように雄一の心をちくちくと刺した。
 雄一は唾を飲み込むと、その小さな達磨の持ち主の名前を小声でいった。

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 クラブ活動等の理由で学校に残る場合も、遅くとも五時までには下校すること――こういう通達が出されたのは、木曜日の朝のことだった。ホ啷氅‘ム時にも、担任教師がそのことを念押しした。
 当然だろうな、というのが川島江利子の感想だ。一昨日の出来事を考えれば、五時どころか、放課後すぐに生徒全員を帰すべきだと思った。
 しかし他の生徒たちは、この突然の指示に不平を漏らすだけだった。というのも一昨日の事件のことは、見事なまでに隠蔽されていたからだ。あの夜、学校の近くの偅龓欷呛韦黏长盲郡⒈伺郡沥先椁胜盲俊
 無論、いくつかの憶測が流れ、その中には事実と多少似通ったものもなくはなかった。たとえば、「変伲撙い啤⑾滦M局肖苏lかが悪戯されそうになった」というものだ。だがこの噂にしても、誰かが学校側の通達から推理して生み出したものに摺い胜盲俊=處煠郡沥冥蚧椁护郡趣纤激à胜盲郡贰⒔婴郡沥恻aっていたからだ。だから彼女たちが事件の被害者を発見したという事実も、生徒たちは誰も知らないはずだった。
 江利子が事件のことを一切しゃべらないのは、学校側からそのように指示されたからではなかった。いやもし彼女がおしゃべりであったなら、すでに噂は大きく広がっていたに摺い胜ぁQ趣螌潖辘稀ⅳ饯欷郅蛇Wいものだった。
 事件のことは黙っていようと江利子にいったのは唐沢雪罚Г坤盲俊J录我埂⒓窑藥ⅳ盲皮殡娫挙ⅳ盲郡韦馈
「あんな目に遭って、藤村さんはすごいショックを受けていると思う。そのうえこのことが学校中に知られたりしたら、自殺しちゃうかもしれない。だからあたしたちは何もしゃべらないで、変な噂が流れないよう気をつけましょ」
 雪罚Г翁岚袱悉猡盲趣猡胜猡韦坤盲俊W苑证猡饯Δ工毪膜猡辘坤盲郡冉婴洗黏à俊
 藤村都子は二年生の時の同級生だ。勉強がよくできたし、積極的な性格だったので、クラスのリ扩‘的な存在だった。ただ江利子は彼女のことを少し苦手にしていた。ブライドを少しでも傷つけられると、すぐむきになって怒るところがあった。またその反面、人を貶《おとし》めるようなことを平気で口にすることもあった。当然、彼女のことを快く思っていない者も少なくない。そういう者たちに今度のことを知られたら、忽《たちま》ち学校中の噂になってしまうに摺い胜盲俊
 この日の昼休み、江利子は雪罚Г纫痪wに弁当を食べた。彼女たちの席は窓際で、縦に並んでいる。近くに人はいなかった。
「藤村さんは交通事故に遭って、それでしばらく休むということになっているらしいよ」雪罚Г∩墙踏à皮欷俊
「ああ、そうなんだ」
「今のところ、誰も変だとは思ってないみたい。このままうまくごまかせるといいんだけれど」
「そうね」と江利子は頷いた。
 弁当を食べ終えた雪罚Гⅴ靴氓隶铹‘クの材料を取り出しながら、窓の外を見た。
「今日は、あの変な人たち、来てないみたい」
「変な人?」
「いつも金網越しに覗いてる人たち」
「ああ」江利子も外に目を向けた。いつも金網にヤモリのような格好ではりついている男子生徒の姿が今日はなかった。「今度の事件のことが伝わって、注意されたのかもしれないね」
「かもね」
「今度のこと、やっぱり連中が犯人なのかな」小声で江利子はいってみた。
「わからない」と雪罚Г悉い盲俊
「あの連中が通ってる学校って、ものすごく悪いんでしょ?」江利子は顔をしかめてみせた。「あたしやったら、絶対にそんな学校には入りたくないな」
「でも、中にはやむを得ず通ってる人もいるんじゃないかな」雪罚Г悉い盲俊
「そうかなあ」
「家庭の事情とかでね」
「それはわかるけど」江利子は曖昧《あいまい》に頷いた後、雪罚Г问衷蛞姢莆⑿Δ螭馈O热毡伺渭窑且姢护皮猡椁盲啃∥锶毪欷ⅳ猡Υ煽pい終わっている。「もうすぐ完成やね」
「うん。あとは仕上げをするだけ」
「でもそれ、イニシャルがRKになってるね」縫いつけられたアルファベットを見て江利子はいった。「雪罚Г坤椤ⅲ伲摔浃胜い危俊
「いいの、これはおかあさんへのプレゼントだから。おかあさんの名前はレイコなの」
「ああそうか。ふうん。親孝行なんだね」器用に針を動かす雪罚Г沃袱蛞姢胜椤⒔婴悉い盲俊

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 清華女子学園中等部の生徒が悪戯された事件で、菊池文彦が警察から疑われているのは明白だった。まず木曜日の午前中、彼は応接室で刑事から伲鼏枻蚴埭堡俊:韦蛴崵欷郡韦ⅳ饯欷摔膜い皮嗓Υ黏à郡韦⒈摔险lにも教えなかった。教室に戻ってきてからも、暗

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